ステッピングモータとサーボモータの比較

f:id:kakaxiu:20191126162835g:plain

それぞれの特徴をしたところで、機能の違いを上表に示します。
表に示した機能の違いより、以下のことがいえます。

 

(1) 制御方式/停止精度に関して
オープンループ方式とクローズドループ方式を簡単に説明すると、エンコーダがなくフィードバックが無い制御がオープンループ方式で、エンコーダがありフィードバックがある制御がクローズドループ方式といえます。
実際には、アンプ内部のデバイス構成が違うなど回路的な違いもありますが、その辺は専門書を参考にして下さい。

 

続いて停止精度に関してですが、これは制御方式に大きく依存します。
サーボモータは停止中もエンコーダにより位置の監視を行えるため位置がずれた時には異常を発生させることができますが、ステッピングモータは停止中に位置がずれたことを認識できません。

 

(2) 実用回転数/トルク特性に関して
サーボモータは、低速域~高速域まで安定してトルクを発生させることができるのに対して、ステッピングモータは低速域でのトルクが大きいのですが、高速域になるとトルクが減少していくことがわかります。(Fig5)(余談ですが、ステッピングモータの特徴として、高周波数[高回転]でモータを始動させようとすると動作が開始しない脱調という現象が発生します。)
このことより、低速では高いトルクを発生させることができるステッピングモータが適しており、中速~高速ではサーボモータが適していることが分かります。

f:id:kakaxiu:20191126162858g:plain

 

(3) 駆動機構の影響
駆動機構は、稼動体が動くときの慣性力や摩擦力を受けます。精密な位置決め制御を行うためには、これらの力に影響を受けない程度の剛性が駆動機構に求められます。
サーボモータを使用した場合、駆動機構の剛性が不十分だとサーボモータ側の性能は発揮できません。


反面、ステッピングモータは機構部の剛性をあまり気にせずある程度バランスの取れた精度が期待できます。
また、価格の面ではサーボモータはステッピングモータに比べて非常に高価で、5倍以上の値段がします。

以上のことから、簡単な位置決めにはステッピングモータが、高速高精度な位置決めにはサーボモータが適しているわけです。