整流子型モータ

整流子型モータ(commutator motor)とは、ロータとして図1.12 に示す整流子型ロータを使う モータの総称です。現在でも大量に使われているのが、ユニバーサルモータ(交流シリーズ、交流直巻モータともいう)の名前で呼ばれるモータの類です。

ステッピングモーター )

主な用途は、電気掃除機、電動工具およびジューサーです。つまり、単相交流を電源として高速運転が必要な分野です。

ここでユニバーサル(universal)という言葉には、交流でも直流でも回転する(つまりは交直両用)という意味が込められています。

構造は、原理的には直流直巻モータと同じですが、交流の場合は次を考慮しなければなりません。

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斜溝(スキュー)型/直溝型
図1.12整流子型ロータ
巻線をもち複数の銅片で構成される整流子を備える。


①直流の場合はステータの磁束は一定でしたが、交流の場合には変動します。従って、変動する磁束によって発生する渦電流を、鉄心を絶縁積層して軽減する必要があります。

②電圧降下は直流の場合には抵抗による降下のみでしたが、交流では、電磁誘導による位相ずれも生じるため力率が悪化し、出力は減少します。

 

電源による交流モータの分類

(1)三相交流を利用するモータ(3相モータ)
電力会社が送・配電している100/200V、50/60Hzをそのまま、あるいはトランスを介して利用する場合と、インバータという電子回路を介して、周波数と電圧を可変・調整して給電する場合があります。


(2)単相交流を利用するモータ(単相モータ)
電源として家庭に配電されている100V 50/60Hzを利用します。ただし、コンデンサを使って、擬似的な2相交流にしてモータに供給する機種が多いです。そのほかにもいろいろな方式があります。


(3)特別な場合
3相以外の多相(2相、5相、7相)電源を利用することがあります。